和泉の方より相続に関するご相談
2024年05月07日
Q:私には離婚歴があります。行政書士の先生、私の相続の際、前妻にも相続権はありますか?(和泉)
私は20年ほど前に離婚し、1人で和泉の地に移り住みました。そして縁あって和泉で出会った女性と共に暮らすようになり、そろそろ10年になろうかというところです。その女性とは籍を入れていませんので、いわゆる内縁の関係ということになります。
最近、私に万が一のことがあった時の相続について考えるようになりました。私には内縁の妻との間にも前妻との間にも子がおりません。両親も他界しております。前妻は和泉から遠く離れたところに住んでおり、もうまったく連絡を取り合っていない状況です。
もしも私が亡くなったら、私の財産を相続するのは前妻ではなく内縁の妻であってほしいと思っているのですが、私の相続の際、前妻にも相続権はあるのでしょうか?私の財産をすべて内縁の妻に渡すことは可能ですか?(和泉)
A:離婚が成立した前妻には相続権はありません。
民法では相続権をもつ人物を明確に定めており、ご相談者様の前妻は相続人には該当しませんのでご安心ください。
法的に相続権をもつ人物(法定相続人)は以下の通りです。
配偶者:常に相続人
第一順位:子供・孫(直系卑属)
第二順位:父母(直系尊属)
第三順位:兄弟姉妹(傍系血族)
配偶者は必ず法定相続人となります。そして第一順位の方が相続権を持ちますが、第一順位の方が死亡している・そもそも存在しない場合は、第二順位に相続権が移ります。第二順位の方も不在の場合は第三順位へと相続権が移ります。
和泉のご相談者様にお子様がいればその方が相続人となりますが、いらっしゃらないとのことですので前妻に関する人物で相続権をもつ方はいないということになります。
さらに現在のご状況ですと和泉でご一緒に暮らしている内縁の奥様も法定相続人に該当しません。ご相談者様は内縁の奥様に財産を渡したいというご意向ですので、お元気なうちに生前対策を講じておく必要があります。
このような場合に有用なのが遺言書の作成です。遺言書の中で、内縁の奥様に遺贈(財産を渡す)のご意思を主張しておきましょう。遺言の執行をより確実なものとするため、遺言書の中で遺言執行者を指定しておくことと、遺言書を公正証書遺言にて作成することをおすすめいたします。
ご相談者様が遺言書を作成しないまま逝去され、ご相談者様の相続において先述の法定相続人に該当する人物が存在しない場合、特別縁故者に対しての財産分与制度を利用すれば内縁の奥様が財産の一部を受け取れる場合もあります。ただしこの制度では、内縁の奥様が家庭裁判所へ申立てを行い、特別縁故者として認められなければ財産を受け取ることができません。それゆえ、公正証書遺言を残しておく方が安心といえるでしょう。
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