遺言書作成時の財産調査
遺言書作成における財産調査の重要性
遺言書を作成する際に必要となる工程のひとつが、ご自身の全財産を把握するために行う「財産調査」です。なぜ財産調査が必要かというと、遺言書に記載のない財産があった場合、相続人はその財産について遺産分割協議を行わなければなりません。そうなると希望に沿わない分割が行われる可能性があり、遺言書を作成した意味がなくなってしまうというわけです。
ご自身の意思を反映した遺言書を作成するためにも慎重に財産調査を行い、記載漏れのないよう細心の注意を払いましょう。
財産調査で着目するポイント
財産調査で着目するポイントにはどのようなものがあるでしょうか。
- 財産の種類と総額
- 不動産登記の確認とその評価
- 相続税の納税資金の対策について
- 生命保険の契約内容について
上記の項目をそれぞれ簡単に説明しますと、①は各金融機関の残高および株式や金融資産の評価、財産の総額について、②は相続する不動産の価値や売りにくさなどについて調査を行います。③は相続税申告が必要となる場合に納税資金の調達や不動産を売却しやすい状態にするなど、生前対策として考えておくことで節税につながります。
④は受取人が誰になるのかなど、契約内容の確認になります。誰が受取人になるかによって税金の種類が異なる場合もあるため、財産調査の段階できちんと確認しておきましょう。
補足となりますが、複数の財産を所有する場合には「記載のない財産の扱いについて」という形で遺言書に記載し、財産の記載漏れを防ぐという手もあります。